無意義なつぶやき

渋谷ではたらくエンジニアブログ。

モノづくりの拠点DMM.make AKIBAに潜入してみた part2

モノづくりの拠点DMM.make AKIBAに潜入してみた part1 - 無意義なつぶやき


に続きDMM.make AKIBA studioの所感です。
見学ツアーが個人利用者向けだったこともあり個人利用者目線です。

現状個人利用者向けサービスは不十分

オープン1週間ということもあり個人利用者がハードウェア開発を行う環境としてはまだまだという印象を持った。理由としては2点ありDMM側の見通しの甘さと利用者側の負担の大きさだ。

DMM側の見通しの甘さ

1点目について本来DMMは利用者がどのようなハードウェアを開発するのかある程度想定して機材を導入していくと思うのだけど、導入されている機材に一貫性を感じなかった。具体的には金属加工を行うフライスなどは試作機のようなテストモデルを作成するものであるのに対して基盤に回路をプリントする半田自動印刷機や自動実装機は50〜100枚程度一度に印刷しないと元を取れないような量産を前提とした機材になっていた。つまりハードウェアの外側を作る機材は量産には向かないのに対して、ハードウェアの中身である回路を作る機材は量産向けだったということだ。AKIBA studioで工程の全てをこなすというよりは特定の機材で工程の一部のみをこなすのが現実的だと思う。

個人利用者には負担が大きい?

2点目に利用者側の負担だ。10Fのstudioのみの利用であれば初期費用30000円、月額15000円と手軽に利用できる額だが、オフィス利用のための12Fのbaseも利用するとなると月額30000円とバカにならない。また現状機材が不十分のため必要な機材があれば自分で持ち込まなければならない。一例を挙げるとstudioにはサンドブラストという研磨剤を吹き付けて表面加工を行う装置があるが、現状研磨剤の種類が少なく加工できる材料が少ないとのことで加工したい材料があれば研磨剤を自費で持ち込む必要があるようだ。同じようにフライスやボール盤などの機材についてもミルは口径の大きいものしか用意されておらず、必要とあらば自分で口径の小さいミルの持ち込みが必要なようだ。



モノづくりの場以外としての価値もある

以上のように週末DIYをする程度なら機材は十分だが、負担が割に合わない。逆にここからハードウェアビジネスを行おうと考えると機材は不十分であり、他の施設などである程度形作りDMM.make AKIBAに持ち込み加工を加えるといったことになりそうだ。
これだけを話すとDMM.make AKIBAを利用するメリットは無さそうだが、現在国内にハードウェアビジネスをサポートする施設があまりないことを考えるとやはりこのシェアスペースは貴重だと思う。ツアーは平日の夜であったが12Fのbaseにはちらほら人がいたし情報交換や仲間探しの場としての価値は十分にあると言えると思う。
また担当の方は今後機材の導入を進めていき随時更新していくと仰っていたのでハードウェア開発の場としての価値も今後上がっていくのではないだろうか。

今後に期待のDMM.make AKIBAでした。
ここからモノづくりスタートアップが現れることを祈ります!